追憶〜逢いたい人へ〜

孝雄が真っ赤になるから私までつられて赤くなった…。



話を反らすように、


『勇が来てくれたとしても結果は同じ…。それにね、勇は来なかったことが、勇の答えだったと思うから…』



『そっか…。お前、大丈夫か?』



『大丈夫!』


満面の笑みで答えた。


『そっか。お前も前に進め。無理しない程度にな…』

孝雄は私の頭を撫でた…。


自然と涙が出た…。



今まで泣かなかったのに…


不思議と泣けなかったのに…




全部孝雄に話したことで、話せたことで胸にあった重りが軽くなったから…




私は自然と涙が出たんだ…





< 145 / 297 >

この作品をシェア

pagetop