追憶〜逢いたい人へ〜
『あれ?なんで孝雄がいるの?』

孝雄を見つけた嬉しさで、つい、噂を忘れていつもの調子で話しかけてしまった。


『…俺も三組だし…。見てなかったのか?』


あっ……男子は勇しかチェックしてなかった…。


『どうせ、誰かさんしか見てなかったんだろうけど…』

たっぶり嫌みのこもったセリフを言われてしまった。



………図星!!!


焦りながら、

『はっ初めてだよね〜!同じクラスになったの…。勉強教えてよね!』

私は孝雄の肩を“ポンポン”と軽く叩いた。


その手を払い除けた孝雄は

『やだ!…教えてやんない!お前、“バカ”だから』

って少しすねたような顔で後ろを向いた。


む〜か〜つ〜く〜……!!

私は背後からヘッドロックを咬ますように、孝雄の首に巻き付いた。


『…ちょっ…苦し…ごめん……悪かったって…』


素直に謝ってきたことに気を良くした私は首に巻き付けた腕を緩めた…。
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