追憶〜逢いたい人へ〜
この道は、急に民家が少なくなり人気がなくなる…
実際、今は孝雄と私、二人だけだった。
孝雄が来てくれなかったら……
そう思ったらゾッとする…
更に震えが増す……
だけど孝雄は、
『もう、俺がいるから…安心して…』
って何度も何度も呟いた…
そのお陰で、私はなんとか落ち着きを取り戻した…
やっと孝雄の顔を見た。
夏のせいもあって孝雄は汗だくだ…
『ありがとう…』
何度も呟いた……
私の少し落ち着いた顔を見て、孝雄はホッとしたあと、急に恐い顔をして、
『知り合いか?』
って私に聞いた。
私は首を横に振った…。
『しっ…知らない人…』
声がどもる……。