追憶〜逢いたい人へ〜

この道は、急に民家が少なくなり人気がなくなる…



実際、今は孝雄と私、二人だけだった。








孝雄が来てくれなかったら……




そう思ったらゾッとする…



更に震えが増す……





だけど孝雄は、


『もう、俺がいるから…安心して…』


って何度も何度も呟いた…





そのお陰で、私はなんとか落ち着きを取り戻した…








やっと孝雄の顔を見た。



夏のせいもあって孝雄は汗だくだ…



『ありがとう…』


何度も呟いた……



私の少し落ち着いた顔を見て、孝雄はホッとしたあと、急に恐い顔をして、


『知り合いか?』


って私に聞いた。



私は首を横に振った…。


『しっ…知らない人…』



声がどもる……。




< 153 / 297 >

この作品をシェア

pagetop