追憶〜逢いたい人へ〜
孝雄が、何を思い出したのか分かったのはそれから一週間後のことだった…。




事件の次の日から学校へは母さんが学校まで送り迎えをしてくれていた。



外に出るのは勿論、学校へ行くのも恐くて嫌だったけど、期末テストが近かったこともあり、行かざるをえなかった…。






…事件から一週間後……






あの男は逮捕された。




私の家の回りを車でうろうろしている男を巡回中の警官が見つけた。


車のナンバーを照合したところ、あの男だとわかった。


そこへ、運悪く私が帰ってきてしまったのだ。



母さんはまだ車を駐車中だったから私は一人で玄関にいたところだった。



男は、私一人だとわかると車から降りてきて、私の腕を掴んだ…。



そして、


『おかえり…待ってたよ…』

とまたあの不気味な笑みを浮かべた…。


私は咄嗟に悲鳴をあげた…。



そこを警官が取り押さえ逮捕されたのだった。










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