追憶〜逢いたい人へ〜

一学期の最後の日…。



帰りも孝雄が私の隣にいる…。



孝雄に何かお礼をしたくて思いきって思ってることを孝雄に話そうと思った…



『ねぇ…孝雄?私ずっと考えてたんだけど…』


っていきなり切り出してみた…。



『なにを?』


孝雄は不思議そうに私を見る。


『…私のこと助けてくれて、いつも隣にいてくれてて、私、ほんとに嬉しかったんだ…。でも、私は孝雄に何もしてないよね…。ごめんね。』



『なんだぁ?別に何かしてほしくて隣にいるわけじゃない…』


少しムッとしてる…



『お礼がしたいの。でも何も思い付かなくて…』



『今日はなんか素直で恐いなぁ…』


って孝雄はちゃかすように笑った。


『何かない?』


真剣に覗き込む私に、



『…別に何も…。俺が一緒にいたくているんだから気にするな!』


孝雄は、私の肩に手を置いた。


肩を落とす私……


『やっぱり私は孝雄に何もしてあげられないんだ…』


私は俯いた…。




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