追憶〜逢いたい人へ〜

片瀬江ノ島駅に着くと、海水浴の観光客やら、地元の人やら、客引きやらでごった返している。



私は孝雄とはぐれないように孝雄の腕を掴んでいた。

『すげぇな…。』


孝雄はポツリと呟きながら、さりげなく掴んでいた私の手を離し、手を繋いだ。


そして、


『こっちのほうがはぐれないだろ…』


って繋いだ手を少し上げて私の顔を見た…。



…あっ…


孝雄の顔真っ赤…

首から耳まで真っ赤…



つられて赤くなる私…



なんだか、恋人気分…



今さら恥ずかしいけど…嬉しかった……




だけど…



私は後悔した…



スカートとサンダルで来たことを………。



これから過酷な出来事があることを私はわかってなかった……。







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