追憶〜逢いたい人へ〜
『…えっ…?!なにこれ…』
私は絶句した…。
私の前には天に続いているかのような、ずらーーっと続く果てしない長い、長ぁ〜い階段…。
『よしっ!行くぞ!!』
気合いを入れた孝雄は階段を上り始めた。
手を繋いでいるから、私も引っ張られる…というか、引きずられる形で上った。
山登りとか階段上りとかってのは嫌いなんだよぉ…
勘弁してくれぇ〜っ…
って思ったけど途中、お土産屋さんとか、食べ物屋さんがあって、孝雄は立ち寄りながら私のペースに合わせてゆっくり歩いてくれた。
だから、履きなれないサンダルで来たこともあって足が痛かったけど、孝雄とほんとの恋人になれた気がして楽しかった。
でも…
実際は違うわけだから、少し空しさがあって素直に喜べない自分がいた……。