追憶〜逢いたい人へ〜
…そうだ…。
前に塾帰りに私、自慢気に話したことあったっけ…
ケーキが大好きで何個でも食べれるって……
覚えててくれたんだ……
『貰ってもいいの?ほんとは私がお礼しなくちゃならないのに…。』
『返されても困る!』
『…ありがとう……。』
『最初っから素直に受け取っとけ!』
…怒ってる…顔も真っ赤…
…照れ隠しね……
大きな箱を抱えて、私はすごく幸せな気分になった。
大きな箱が、孝雄から私への気持ちの大きさを表してるような気がして…
どんどん、どんどん…
孝雄への想いが膨らんで…
でも、踏み出せなくて…
ただ、ただ…
孝雄への想いが募っていった……