追憶〜逢いたい人へ〜
キス…
夢の話を聞いてから、私はどうしたら孝雄の力になれるか…ずっと考えていた気がする…
いつの間にかコートを着る季節になっていた。
冬は孝雄の誕生日だ。
私とは真逆の季節に生まれた孝雄は、色白で、色黒の私とはまた正反対だった。
今まで孝雄の誕生日は知っていたけど、“おめでとう”くらいしか言ってなかった…。
あの頃は勇に夢中だったし…
だけど、今回はちゃんとお祝いしたい…
そう思った………。
私は孝雄の誕生日前にやりたいことが一つあった。
ずっと胸にひっかかってたこと…
そう…
孝雄との卒業式の果たせなかったあの約束…
“二人で写真を撮ること”
きっかけがあればと思って、ずっとカメラを鞄に忍ばせていた…