追憶〜逢いたい人へ〜
勇と話していると、ふと、視線を感じた…。

振り返ると……


孝雄と目があった…


その目は…
どことなく淋しげで…
さめた目………


そんな目と目があった瞬間…


“ヤバイ”


そう思って、慌てて目を反らした……。



後から考えれば、別にヤバくも…慌てることもないのに…


多分…心の何処かで、孝雄に勇と仲良くしているところを見られたくなかったのかもしれない……


無意識の行動だった…。







それからその日一日、私は孝雄と話すことはなかった。

あの目を思い出すと、声をかけづらくて…

孝雄の傍に行くことを、あえて避けていた…。


私のそんな行動があからさまだったのかもしれない…


孝雄も私の傍には来なかった。


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