追憶〜逢いたい人へ〜
だからつい、


『どこか行きたい…。』


って言ってしまった…。



孝雄も私も遅刻だって学校をさぼったこともなかった…。


“サボリ”なんて悪いことだと思っていたけど、でも一緒にいたかった…




『…じゃあ人生初さぼってみっか?』


孝雄のいつもの笑顔に少しホッとして私は頷いた…。





悪いことをするドキドキと、孝雄と二人でいられるドキドキとで、胸がいっぱい…



体は熱いのに、身震いしてしまった…



それに気が付いた孝雄は、

『どうした?寒い?』


そう言って繋いでいた手を孝雄のコートのポケットにいれた…。



更にドキドキさせる…



ほんとに優しいなぁ…


幸せすぎて怖いくらい…







…こうして孝雄と私は、明後日の約束をしたんだ…。




別れ際、必ず孝雄が言う、


『また明日な…』



明日に繋がる約束の言葉も一緒に…






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