追憶〜逢いたい人へ〜

駅とは逆方向に走る孝雄…



意味がわからない私…




ただひたすら走っていた。










着いた所は、海浜公園…。




とても広くて、子供の頃迷子になったことがある公園……




朝だけあって、ジョギングをする人ぐらいで人気はあまりなかった…。




『ここで待ってて。』


そう孝雄は言うと近くの自販機に行った…。



コーヒーとミルクティを手に戻ってきた孝雄は、立ち尽くしている私に、


『はい。温まるよ…』


ミルクティを渡してくれた…。



私の好きなミルクティ…



ちゃんと覚えてくれてる…



受け取ったミルクティが温かくて、孝雄の優しさのように温かくて…



私は思わず、孝雄を抱き締めた……。



止めどない涙がどんどん溢れていた……







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