追憶〜逢いたい人へ〜
夕方になった。

私は、仕方なく重い足を引きずるようにして、家から五分のところにある山本先生の数学塾に向かった。



…山本先生は、近所では有名で沢山の教え子を抱えていた。

だから、随分前に予約しておかないと、なかなか入ることはできないはずなのに………



絶対、近所のよしみで強引に…


もとい、特別に入れさせてもらったに違いない!


母さんは口が上手かった。


はめられた…

最悪……


そんなことを考えながら、自転車を止めて玄関のドアを開けた。




気分は…

最高に……

凹んでいた………。
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