追憶〜逢いたい人へ〜
結局遅刻な私達は、サボりたかったけどちゃんと学校に行くことにした。
駅に着くと、孝雄は、
『ごめん。帰りは予備校直行しなくちゃならなくなったから…一人で帰れるか?』
…多分、これも“嘘”…
だけど私は、
『大丈夫!寂しいけど、明日…会える…もんね?』
孝雄の顔を覗き込んだ…。
『約束しただろ?』
まっすぐ私を見つめる目に少しの安心と、少しの不安を感じながら…
『そうだよ…約束だよ!』
孝雄の手を取って強く握った…。
『じゃあ、またな…』
いつもなら“明日”という言葉がついてるのに…
不安になった私は、
『明日ね!』
そう言って手を振った…。
何も言わない孝雄は手を振って私から離れていった…