追憶〜逢いたい人へ〜

一人…

誕生日前夜は寝れなかった…



いつもと違う孝雄の態度が不安を誘う……



優しさは変わらないのに…







…誕生日当日………。


一睡もできないまま朝を迎えた…。



不安は募るばかり…。



でも、絶対に会える…。


だって約束したもん…。



約束って言ってたもん…。





そう自分に言い聞かせながら、念入りに身支度を整え、孝雄に渡すお守りと写真を握りしめて家を出た…。






玄関から少し歩いた場所には今日も孝雄はいなかった…。




不安は一層強くなる……。




小走りに再会したあの場所に向かった。



事件の場所を通りすぎる…


もう今の私は事件のことなど頭にない…



あるのは、孝雄のことだけ……。










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