追憶〜逢いたい人へ〜
あの大きな木の下には誰もいなかった…
孝雄の姿はない…。
…大丈夫…。昨日だってそうだった……。
…お願い………。
孝雄……………。
約束破らないで…………。
私から離れていかないで…
私は祈るように何度も、何度も…心の中で呟く…。
どうか、この願いが孝雄に届きますように…………
一時間…二時間………
もう、通勤や通学の時間はとっくに過ぎ、通る人も疎ら…。
やっぱり孝雄は来なかった………
不安は的中してしまった…