追憶〜逢いたい人へ〜

孝雄と同じ大学を目指して通った予備校はまだ通っていた…。



別にもう通いたくなかったけど、母さんに、


『中途半端はダメ!』


と言われたから…。


それに、何かしていないと、孝雄のことばかり考えて涙が溢れてくるから…



別に大学には行く気にはならなかったけど、勉強してれば…何かしてれば考えなくてすむ…



とりあえず、孝雄を一瞬でも忘れられるなら何でも良かったから…





お陰で偏差値は上がりまくり、孝雄が受けようとしていた幾つかの大学以外なら余裕で合格できるくらいまで上がった…。




でも、私は大学なんて興味ない…



孝雄のいない大学生活になんの魅力も感じなかった…。




でも、もうそろそろ、自分の進路を確実に決めなきゃならない時期が迫っていた。



進路指導の先生も、担任も私に大学進学を進める。



この高校初の国立大合格も夢ではなかったから……




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