追憶〜逢いたい人へ〜

“保育士になる”



そう決めてから、私は片っ端から、保育課のある短大の資料を集めた。




進路希望書がまだ白紙だった私は進路指導の先生に呼び出された。



『私、短大を受験します。』


キッパリ言った。



驚いた先生は、


『お前は大学行ける実力があるんだぞ。』

なんて言われたけど、


『保育士になりたいんです。』


『教育学部のある大学にしたらどうだ?』


どうしても大学を進める先生に、


『4年も大学行ってられません。2年で充分です。』

私は言い切った。




そして、


『この短大を推薦してください…。』

資料を先生に渡した。


『…ここは…少人数性で難しいとこだぞ…やっぱり大学のほうが…』


なんて言っていた。






< 229 / 297 >

この作品をシェア

pagetop