追憶〜逢いたい人へ〜
紳士…
授業が終わると、私はすぐに荷物をまとめた。
山本先生の塾から家までは本当に近くだし、孝雄とは逆方向だったから先に帰ろうとした。
英語の塾は遠かったから…。
一緒に帰れなくて残念だけど…。
『じゃあ、お先に!』
孝雄に軽く挨拶をすると、
孝雄は私の肩を掴んだ。
『ちょっと待て…。なんで先に行く?』
『えっ…だって道違うし…。』
『いい…。送る。』
そう言った孝雄は私のカバンを取り、外へ出ていった。
さりげなく、教科書、参考書だらけの重たいカバンを持ってくれたのだった。
…今までどういう教育をうけてきたのだろう…
そう思わずにはいられないくらい、孝雄はとても紳士だった。
山本先生の塾から家までは本当に近くだし、孝雄とは逆方向だったから先に帰ろうとした。
英語の塾は遠かったから…。
一緒に帰れなくて残念だけど…。
『じゃあ、お先に!』
孝雄に軽く挨拶をすると、
孝雄は私の肩を掴んだ。
『ちょっと待て…。なんで先に行く?』
『えっ…だって道違うし…。』
『いい…。送る。』
そう言った孝雄は私のカバンを取り、外へ出ていった。
さりげなく、教科書、参考書だらけの重たいカバンを持ってくれたのだった。
…今までどういう教育をうけてきたのだろう…
そう思わずにはいられないくらい、孝雄はとても紳士だった。