追憶〜逢いたい人へ〜

『…孝雄とは、もう会えないの…』


『…なんでだよ?』


『……色々あって…。』



『…千代?』


また無意識に涙を流していた…



『…あっ!…もうやだ…気にしないで!』


『話したくないなら聞かねぇから…悪かったな。』


私は慌てて涙を拭い、笑った。


『無理して笑うな…俺の前で無理してほしくない。』


勇は運転中なのに、私の頭をなでてくれた…



でも、甘えたらいけない…

『もう大丈夫!ありがとう。もう…やだなぁ…。』


勇は何も言わず運転している…


その姿に思わず見とれてしまった…




『……俺、お前の支えにはなれない?』


『……えっ…なに?』



『お前、今すっげー辛いだろ?』


『だっ……大丈夫だよ。』

顔色を見られたくなくて俯いた…。







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