追憶〜逢いたい人へ〜

『腐ってない?』


笑いながら勇は言った。


『…大丈夫…。きれいだね…。』


『ダイヤは俺の誕生石なんだ。もうひとつのは…名前忘れたけど…お前の誕生石だろ?』


『うん…そう…。ってこれ私に?』


『あぁ…。そう、千代に…。』


『でっでも、高そうだよ!』


『俺を誰だと思ってんの?……約束の証につけてて。』


…約束の証……?



『…ありがとう…。大事にする…。』


『やっと渡せた…。』


勇はホッとしていた…。



『…勇?』


『…うん?』


『勇に今日会えて良かった。私、全然前に進めなかった…。でも、勇に会えて、少し頑張ってみようって思えた…。』


『…俺もだよ。でも、多分、まだ千代を忘れられそうにないよ!』


…また…サラッとキザなことを言う………





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