追憶〜逢いたい人へ〜
それから勇と私は世間話をしながら、あの頃自転車やバイクで駆け抜けた海岸線をドライブした…。
『初めてのドライブはチャリだったなぁ…』
勇がポツリと呟く…。
『…ダサかったよねぇ…。』
『でも途中でバイクだったじゃん!かっこよかっただろ?』
『…反論できない…。』
『だろ?…でも今の方が最高にかっこよくね?!』
…ほんとだね…最高かっこいいよ……
勇の笑顔は、太陽みたい……
幸せな気分になれる…
だからずっと変わらないでいて…
………この時、勇と私は携帯番号を交換しなかった…
そう二人で決めたこと…
『…また今度偶然会えたら、これはもう運命だな…。そんときは俺、千代に付き合ってるやつがいても、気にしないから…。奪ってみせるよ…。覚悟しとけ!……だから携帯番号は聞かない…』
『わかった…。覚悟しとく…』
私は笑った…。