追憶〜逢いたい人へ〜
黙って私の話をずっと聞いていた涼は、
『…なんでそんな話をしたの?』
…諦めてくれるって思ったから……
そう思ったけど口に出せない……
『諦めると思ったの?』
私は顔を上げ、びっくりして涼を見つめた…
『その顔は図星だな…』
優しく笑った涼は私をそっと優しく引き寄せ、強く抱き締めた……
『……辛かったね……。』
そう一言言った涼は私の背中を軽く……
赤ちゃんを寝かしつけるように“ポンポン”叩いた…
優しく…優しく………
涼の一言で私は救われた…
そう思った瞬間、涼を抱き締め返している自分がいた…。
涼の胸で泣きじゃくる私の頭を撫でながら、
『その人を無理に忘れることはしなくていいよ…俺は待つから…。千代を悲しみから救ってあげる……。』
…涼……
ありがとう………
私…、このまま涼への気持ち前に進めちゃうよ……
もう、止めないから……