追憶〜逢いたい人へ〜
久しぶりに梨香とたっちゃんと三人で会ったとき…
たっちゃんは、
『千代は昔も踏み切れてなかったよなぁ…今も変わんないな…』
その一言に梨香は痺れを切らしたように、いきなり私の携帯を取り上げ、洋介のリダイヤルを探し、通話ボタンを押してしまった……
『…っわっ!なにすんのぉ?!』
『こうでもしないとウジウジ悩むだけでしょ?千代、ちゃんと変わりな!』
梨香は私にそう説教してくれた……
怒られたはずなのに、嬉しかった……
『もしもし…?』
微かに聞こえる洋介の声…
私は慌てて携帯を耳に当てた…
『もっ…もしもし?千代です…。』
『うん…。わかってる…』
声に元気がない……
気になりながらも、
『今日、会えないかな…?』
『………いいけど…。』
『じゃあ、いつもの居酒屋さんで…』
『涼太は来るのか?』
『…来ない…。私だけ…』
『…わかった。じゃっ!』