追憶〜逢いたい人へ〜
太陽が照りつける…。


一歩一歩が、太陽に近づいてる様で陽射しがキツい…。



…やっぱりただ登るだけってのは…気が滅入る…



なんでみんな、笑ってられるのかなぁ………


牧野も麻美も、さっさと私に見切りをつけて先に行ってしまった…。



冷たい奴らだ!!



あぁ……
一人で登るのはもっとしんどいかも……



帰りたい………



もう、嫌!もう限界!!


って思ったとき、上げるのさえしんどい顔を上げると、そこにいたのは…


…孝雄…。




『大丈夫か?』


『なんだ…孝雄か…どう…したの?…孝雄も…やばいの?』

息も切れ切れに言った。


『そんな訳ねぇじゃん!お前がなかなか来ないから…。』



あっ…そっかぁ…

前に塾帰り、登山が苦手だって言ったんだっけ……


憶えてたんだ………



っていうか、さっき目があったのに反らしたくせにぃ………!!



そんなさっきのムカつきがまた顔に出ていたらしい…。

だけど、それが孝雄には辛そうに見えたらしく、


『おい!本当に大丈夫なのか?』


心配そうに私の体を支えてくれた…。
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