追憶〜逢いたい人へ〜
消灯時間はとっくに過ぎていた…。


突然、隣から白倉先生の怒声が響いた。



『お前ら〜!部屋に戻れ〜!!』



夜の見回りの第一回目が始まってたらしい…。




咄嗟に布団に隠れる私達…。



誰かが慌てて電気を消した…。




私が咄嗟に潜り込んだ布団は、たっちゃんの布団だった…。



その中で…………


私はたっちゃんに抱き締められていた…。








…えっ……何………?





真っ暗な布団の中で、たっちゃんの吐息だけが聞こえた…。






そして、





いつもふざけあっているたっちゃんは私の耳元で、





『…好きだ…。』





微かな声で囁いた…。






ビックリして硬直する…。



どうしていいかわからない…。




ただ、孝雄の顔が浮かんだ…。






何も答えられなかった…。
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