追憶〜逢いたい人へ〜
『…嫌じゃなかったけど…』
『…なら、付き合えば?』
また私を突き放す…。
『…でも、たっちゃんはずっと友達だったから…好きだけど…付き合うのって…考えたことないよ…。』
そんな私の言葉に何も言えなくなったのか、孝雄は、
『…そっか。』
だけ言った。
そして、孝雄は空を見上げて何か考えているようだった……。
私も見上げた……。
『…付き合うとなるとさぁ…、孝雄とは塾帰りとか…一緒にいられなくなるのかなぁ………』
私はそれが嫌でたまらない……。
これが私の本音だった…。
俯いていた私は強い力で引っ張られる…。
孝雄と私の体が密着する…………
本日、二回目……。
抱き締められたの………。
私はただただ、ビックリ…
そんな私に、孝雄は、
『それは、嫌だなぁ…』
そうポツリと呟いて、抱き締める腕を強めた…。
…あっ…孝雄も私と同じ気持ちだったんだ……。
私も孝雄をそっと抱き締め返した…。
心地よかった…………。