追憶〜逢いたい人へ〜
孝雄が腕を緩めて、恥ずかしそうに私から離れた…。
私も恥ずかしさで俯く…。
ふと、右手にひんやりした感覚……
右手に視線を移すと、孝雄の左手が私の右手を包み込んでいた…。
ぶっきらぼうな手の繋ぎ方………
でも、孝雄のひんやり冷たい手が、私の熱くなった手を中和する……。
心地よかった………。
『ちゃんと考える…。』
私の言葉に、孝雄は、
『そっか…。』
それだけ言って、あとは何も言わなかった…。
ただ二人で星空を見上げていた…。