追憶〜逢いたい人へ〜
相変わらず孝雄は、塾の時だけ私の隣にいてくれた…




いつもと変わらない、優しい孝雄だった。





でも、学校ではなんで違うんだろう……




ちゃんと孝雄と話がしたかった…



でも、そう思ってても中々口に出して言えない…




なんとなく聞けない雰囲気……




でも、こんなんじゃ嫌だ!





塾帰り、意を決して、


『…最近話さなくなったよね、学校で…』



『今話してるよ。』




『今はね…気のせい…?』



少し沈黙が続いたあと、






『古田に誤解されたくないだろ…』



素っ気ない言い方……



『誤解も何も、付き合ってるわけじゃないし……』


言葉を濁す私に孝雄は、


『でも、周りは付き合ってると思ってるよ。』





『…だよね…』



自分で客観的に見てもそう思った……。





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