キスはおとなの現実の【完】
三段飛ばしのペースですごす一日は、あっというまにすぎていく。

その日はけっきょく、直帰にならないぎりぎりの時間まであちらこちらの取引先へと、あいさつまわりに歩きまわった。

街の空気にねっとりと疲れの色が近づいた午後五時すぎ。
駅のベンチでようやく遅めの食事をとった。

コンビニで買ったサンドイッチを頬ばりながら、大上先輩と電車を待つ。
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