キスはおとなの現実の【完】
感情のひとつも吐きだすこともなければ、おもしろいことのひとつもいえないわたし。
それでもわたしは毎日三本酒店にかよって、どうでもいい会話をしてから部屋に帰った。

わたしのつまらない会話につきあわせてしまってもうしわけないという気持ちはあったが、ほかにこんな会話ができる人間はまわりにひとりもいなかったから。
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