キスはおとなの現実の【完】
三十代後半の人で、細身だが身長がおおきかった。
やさしい顔をしているが目つきだけはやたらとするどい。
できるおとなという感じ。

数十人の社員がデスクトップパソコンに張りついてデスクワークをしているフロアをとおり奥へとむかう。

パーテーションで仕切られた応接室へとおされる。

応接室はふたりがけの合皮のソファがむかいあってふたつならび、そのあいだに合板の白いテーブルが窮屈そうに設置されていた。

わたしと大上先輩は横にならび、担当者とむかいあわせでソファに座った。
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