キスはおとなの現実の【完】
「袴田。そんなものでたりるのか?」

横に座って食事をとっている大上先輩が、わたしのひざのサンドイッチを見ながらいった。

そのときわたしがたべていたのは、みっついりのミックスサンド。
ハムとタマゴとツナの味。
のみものは、脂肪と砂糖をぐっとおさえた苦いカフェオレ。

みっつ目の三角形のかどをかじりながら、わたしはいった。

「まあ、中途半端な時間ですし、この時間にしっかりたべちゃうと夕食がたべられなくなって、夜中のへんな時間におなかがすいちゃうから」

こういう場所でがつがつ食事をすることがみっともないと思っているということはいわなかった。
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