キスはおとなの現実の【完】
「袴田は買ってくれオーラをだしすぎている。自分本位の必死さがばればれなんだ。営業はおし売りじゃない。相手に納得して気持ちよく買ってもらわないといけないんだ」

たしかに大上先輩のいうとおりだった。
わたしはただ自信がほしくて、はやくおとなになりたくてまえへまえへと走っている。

さっきも今も、ずっとそうだ。

いまさらどうにもしようのない、わたしの性格の部分。

言葉はすごくやさしかったが、わたしはすべてを否定されたような気がした。
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