キスはおとなの現実の【完】
「いいですよ。今日はおれがさそったんですから、おれのおごりです。どうぞ、のんでください」
そういって律儀な男は、自分の財布をあさって千円札を一枚抜くと、それをカウンターのうえにおいた。
ステンレス製のカウンターは蛍光灯の明かりのしたで鏡のように光っていた。
野口英世の顔の裏には、湖面に姿をうつす富士山。
カウンターのすみに放置されていた一万円札が目にはいる。
こちらの裏には名前を知らない鳥が二羽、中央の空白をはさんでむかいあっている。
そういって律儀な男は、自分の財布をあさって千円札を一枚抜くと、それをカウンターのうえにおいた。
ステンレス製のカウンターは蛍光灯の明かりのしたで鏡のように光っていた。
野口英世の顔の裏には、湖面に姿をうつす富士山。
カウンターのすみに放置されていた一万円札が目にはいる。
こちらの裏には名前を知らない鳥が二羽、中央の空白をはさんでむかいあっている。