キスはおとなの現実の【完】
その笑顔を見たとたん、わたしはどうにも感情がおさえられなくなった。

わけがわからなかった。

今までがまんしていたはずなのに、鼻の奥が痛くなり目の裏に熱いものがこみげる。

タブをあけたバドワイザーに口をつけず、両手でにぎる。
ひんやりとした缶ビールの冷たさが指を芯までじんじんさせた。
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