キスはおとなの現実の【完】
わたしは一気に自分のなかのものを吐きだした。

仕事で大ぽかをやってしまったこと。

はやくおとなにならなきゃいけないこと。

ただ自信がほしかっただけだということ。

それなのに、けっきょくはおさなさやなさけなさばかりがわたしのなかには残っていて、ちっともおとなになんてなれていないこと。
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