キスはおとなの現実の【完】
口をひらけばひらくほど、思い描く理想の自分と、現実の自分があまりにもかけ離れすぎていて、自分で自分が嫌いになってしまう。

わたしがのぼりはじめた階段は、どこまでいっても先が見えず、だからといってもういまさらあとにもどる道も残ってなんていない。

たまっていた感情は言葉にすると次から次へとあふれてきて、わたしはそこが酒屋の裏口だということも忘れ大声をあげて泣いてしまった。
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