キスはおとなの現実の【完】
「ちゃんとわかっているじゃないですか、袴田さん」

わたしは、はっと気づいた。

「おとなやこどもなんて、絶対的なものではなく、誰かとくらべたときに自分が今どこにいるかというだけのあいまいな基準なんです。だから、自分のペースで走って階段をのぼっていけばいいんですよ。おれも袴田さんも」

たしかに、カズトさんの言葉もただしいかもしれない。
そんなふうに思った。
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