キスはおとなの現実の【完】
「袴田さんが、ちゃんと笑ってくれたら、おれ、袴田さんにいいたいことがあったんです」

カズトさんはそこまでしゃべって興奮したのか、残りのビールを一気にあけた。
急に真顔になって、カウンターにおもいきりのりだした。
ぐちゃぐちゃに汚れたわたしの顔に自分の顔を近づける。

「袴田さん」

カズトさんはじっと瞳を見つめていう。

「キスしていいですか?」
< 189 / 224 >

この作品をシェア

pagetop