キスはおとなの現実の【完】
十五分間、電車に揺られひとり暮らしのアパートのある駅についた。

すっかり夜だ。
ケータイ電話をとりだしてディスプレイを確認する。

メールや着信チェックじゃない。
単純な時間の確認。

十九時すぎ。
いつもどおりの帰宅時間。

わたしがひとりで暮らすアパートは、実家からもそれほど離れていない。
通勤につかっている路線をもう四駅ほど会社から遠ざかってくだるだけで実家につく。
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