キスはおとなの現実の【完】
「それでもいいんです。現実を味わうキスは、ひとりぼっちじゃできません。おれがこれから先、現実で生きていくためには、たぶんもう袴田さんが必要なんです」

どうにもたよりないいいかただが、たしかにそれは一理ある。
わたしだってカズトさんとのキスで、自分の現実の味をちゃんとたしかめられたような気がする。
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