キスはおとなの現実の【完】
「どうしたあ? シオリ、なんかテンション低いね。シオリらしくないぞー」

サクラはからから明るくいうが、わたしはうまく返事ができない。

わたしらしいということが、いったいどんなことだったのか、わたし自身とっくの昔に忘れてしまった。

サクラはやはり酒をのんで酔っているようだった。
終始声が、ふわふわ浮いて地に足ついていなかった。
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