キスはおとなの現実の【完】
さっきサクラが同級生と紹介したのに、まるできいていなかったのか、こいつら。

心のなかで悪態をついてみたが、わたしはやはり苦く笑うしかできない。

自己紹介だけで、どっと疲れた。

大学生のこういうのりには、ついていけない。

わたしはテーブルのうえにケータイ電話をのせると、ディスプレイの時計とにらめっこを開始した。

サクラからきいていた席の貸切時間は、たしか二時間だったよな。

とにかく笑ってやりすごそう。
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