キスはおとなの現実の【完】
1.仕事と年うえの上司
「袴田(ハカマダ)。二時からの市橋(イチハシ)商事さんとの約束までまだ時間があるから、これから二川(フタガワ)さんと三和(サンワ)コーポさんにあいさつにいく。昼食はそのあとでもいいか?」
「はいっ」
大上(オオガミ)先輩の質問ではない命令に、わたしはおおきく返事をした。
一瞬だけだが電車のなかだということを忘れてしまい、ほんのちょっと恥ずかしくなった。
二川株式会社と三和コーポレーション。
どちらの会社もわたしにとっては初耳だった。
「はいっ」
大上(オオガミ)先輩の質問ではない命令に、わたしはおおきく返事をした。
一瞬だけだが電車のなかだということを忘れてしまい、ほんのちょっと恥ずかしくなった。
二川株式会社と三和コーポレーション。
どちらの会社もわたしにとっては初耳だった。