キスはおとなの現実の【完】
「せっかく仲間どうしでのんでるんだろ。おれみたいな、わけのわからないやつが混ざったら、みんな気まずいだけじゃないか。おまえはおれのことを知っているけど、ほかのみんなにとっては、おれはぜんぜん知らない他人なんだから。異物なんて混入してたら、このご時世酒屋は営業停止をくらっちまう」

最後のギャグは寒かったが、意見としてはまっとうだった。

耳もとの酔っぱらいはふわふわしながら返事をした。
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