キスはおとなの現実の【完】
「なあ、みんな。カズトくんとのみたいよな」

ムードメーカーがうしろをむいて声を張る。

さすがに酔っぱらいばかりの会合だった。
お世辞かどうか知らないが、みんな口々にのみたいのみたいとおおいに騒ぐ。

女子メンバーなんか、かっこいいとか、抱いてほしいとか、むちゃくちゃなせりふまで叫ぶしまつ。

さすがに収集がつかなくなっている。

カズトという業者の人がプラスチックケースをほんのわずかに持ちあげていう。
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