キスはおとなの現実の【完】
「わかった。とりあえず、ほかの客にもめいわくだからしずかにしろ。これおいたらまたもどってくるから。それでいいか」

業者の人は、なんとかその場をおさめようと必死である。

酔っぱらいのムードメーカーがくいさがる。

「絶対ですよ。逃げたら、もう二度とカズトくんのところにはのみにいきませんからね」

業者の男の人は苦く笑って、いったんそとにでていった。

もどってくる確率は一割もないだろうな。

そんなふうに思いながら、わたしは業者の男の人のうしろ姿を見送った。
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