キスはおとなの現実の【完】
座敷席のほかのメンバーは、あれだけ騒いでいたくせに、まったくもってこちらに興味をしめさない。

異物がひとり混入したところで、おのおのがおのおののことをやっているだけ。
こちらのことなど、まるで眼中にないようすだった。

けっきょく、ムードメーカーと業者の会話にもまともに参加できないまま、会計の時間になった。

業者の男の人もいっしょにお店をでる準備をする。

会費はひとり三千五百円。
わたしにとってはおおきな出費。

ムードメーカーがお金を集めにいっているとき、業者の男の人がわたしにいう。
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