キスはおとなの現実の【完】
さいわい業者の男の人は作業中で、わたしに対して背をむけていた。

ここまででてきて帰るのもおっくうだったし、したをむいて強行突破することにする。

気配を消して足早に車の横をとおりすぎようとする。

道の端っこに停まっている白い車を追いこそうとした。

と。

「あっ。昨日の……」

甘かった。

あっさりばれて声をかけられた。
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